山本周五郎 作 ゆうれい貸屋
向田邦子 作 鮒
井上ひさし 作 水の手紙
出演:和歌山絵本のよみあわせ会
朗読劇グループことの葉
ゆうれい貸屋は、山本周五郎らしくない、なんだかずっこけの作品です
この世に未練がある芸者のゆうれいお染と、
とにかくものぐさで働かずに生きていたい弥六とがおりなすお話です
ゆうれいがたくさん出てくるのですが、
地で全く大丈夫な、ことの葉のメンバー総出演で、お送りいたします
おなじくことの葉がお届けするのは井上ひさし「水の手紙」
ある地方の公演に向けて書かれたという作品は、
今の地球が水にひんしているという事実に目を向けたまっすぐな作品です
何年も前に書かれた作品ですが、
この中で話されていた「アラル海の水が少なくなっているという」部分、
まさに去年の終わりくらい「ついにアラル海の水が無くなった」という報道を耳にしました
メンバー一同、言葉のリアル感が一層増しています
和歌山絵本のよみあわせ会からは、向田邦子作「鮒」です
この作品は私が大好きな作品です
とにかくうまい!人物、情景、無駄な言葉は何一つなく
削ぎ落されて描かれたほんとうに面白い短編小説です
このおもしろさ、果たして、描けるのか?
ことの葉も平均年齢は60後半
絵本の会もどっこいどっこい
とにかく、言葉が覚えられない
理解しても身体がすぐ動かない
なりに懸命です
決して演技はうまくはありません
でもその懸命さを一緒に観ていただければと思っています
この方たちと一緒に作っていると瞬間まるで年齢を超えてしまいます
けれども同時に、年を取るのはわるくないなというお手本を見せてもらっています